日本語の古い発音は何からわかるの?
2020年5月18日
Q. 「火事」の「火」は古い日本語では合拗音「くゎ」で発音していたと言われているようですが、このことは何からわかるのでしょうか。
A. 古くかな表記で「くわ」と書かれていた例の多くは、いわゆるキリシタン資料で“qa”と書かれていることから、少なくとも室町時代末期の時点の標準的な発音は「くゎ」であったと推定することが可能です。この例に限らず、江戸時代前後の日本語の音韻についてはアルファベットへの翻字の記録が多く残っており、「ぢ」・「づ」が元々「でぃ」・「どぅ」のように発音されていたことなど、かなりの部分それらを手がかりに当時の実態を知ることが可能です。