通時態と共時態の関係って?

Q. 通時態という概念がもうひとつよくわかりません。時代ごとの共時態を比較するということとはどう違うのでしょうか。

A. もちろん時代ごと(奈良・平安・鎌倉……)の共時態を比較する作業も不可欠にはなりますが、通時態はそうしたことを目的としたものではなく、それを手段として、当該言語が経てきた変化の実態を捉えるものです。 例を一つ補うと、たとえば平安時代の日本語には動詞の活用型が8種類(四段・上一段・下一段・上二段・下二段・カ行変格・サ行変格・ラ行変格)存在していたのが、現代日本語では5種類(五段・上一段・下一段・カ行変格・サ行変格)に集約しているという事実があります。これは日本語の通時態の中で、動詞の活用のあり方という一側面を切り取った見方であり、またその過程でどういう変化が起こっていたのか(たとえば二段活用の一段化はいつ、どのように起こったのかなど)を知る上でも、時代ごとの共時態をつぶさに観察することが重要な意味を持つことになります。

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