Q. 個々の動詞について、項の数はどのように把握すればいいでしょうか。また、項のあり方は他の言語においても同様なのでしょうか。 A. たとえば「私は待った」「太郎は鍵を手渡した」のような文は、必要不可欠な情報が欠けており、文脈が整っていない限りは不自然で不完全な文と見なされます。これはすなわち、「待…
Q. 日本語のようなアクセント体系を持った言語は他にないのでしょうか。今のところ、強弱アクセントや声調のある高低アクセントしか、見つかっていません。 A. 学術のソースとしては少々心許ないのですが、Wikipedia英語版の記事によれば、リトアニア語や西部バスク語などが高低アクセントを持つ言語の例と…
Q. ニヨッテ受身文は欧米語からの翻訳に由来して用いられるようになったとのことですが、これらのように日本語で元々用いられなかったタイプの受身文が用いられるようになるなど、文のあり方が変容することは今後も起こりうるのでしょうか。 A. 文構造のあり方が大きく変容する例ではありませんが、「行動を取る」(…
Q. お寿司屋さんでは売り切れのことを「山」といったり、お会計のことを「おあいそ」といったりします。これも集団語でしょうか。「おあいそ」はお客さんも使うようになっている気もしますが…。 A. いずれも集団語の例と考えて差し支えありません。「おあいそ」を客側が用いるというのは、ある意味従業員に対する領…
Q. 死語について、「廃語」と呼ぶのはどの程度一般的なのでしょうか。また、どのくらい用いられないとこれに該当するようになるのでしょうか。 A. あくまで言語学の専門語としては「廃語」の方が好ましいと考えられているだけで、日常語として「死語」を用いても通常問題視はされません。 死語(廃語)であるか否か…
Q. 接辞に関して、接頭辞が用いられる場合と接尾辞が用いられる場合にはどのような違いがあるのでしょうか。 A. 接頭辞は、核となる単語に何らかの意味を添えるのが一般的です(たとえば「大戦争」は「規模の大きな戦争」であるなど)。一方、接尾辞は単語そのものの意味のあり方を変える役割を果たします(たとえば…
Q. 他の言語でも略語は作られるのでしょうか。 A. たとえば英語において“property”が“prop”と略されたりするように、他言語にもたいてい何かしらの形で略語に相当するものは存在します。もっとも、1つの単語が長大すぎて負担になるようなことは開音節言語に顕著なことであり、日本語は特に略語の必…
Q. 略語の作られ方には、どのような略し方がされるかについて規則性などはあるのでしょうか。また、特に4拍のものが多いようですが、これはなぜでしょうか。 A. 前要素・後要素の頭から2拍ずつを取る形が最も多いのですが、略し方に絶対的な決まりなどはなく、どちらかといえば語呂の良さが優先される傾向にありま…
Q. 合成語が作られるときの音変化について、「連声」というのはどのように位置づけられるものなのでしょうか。 A. 連声とは、前要素の末尾の子音が二重になる現象のことで、たとえば「観kan」+「音on」が「観音kannon」、「雪set」+「隠in」が「雪隠settin」のようになることを指します。こ…